三菱UFJ信託銀行(株)は17日、「2022年度 賃貸住宅市場調査」(2022年秋時点)の結果を発表した。
24社に調査し、回答率は72.7%。属性別割合は、資産運用会社が79%、不動産管理会社が13%、金融機関が8%。
エリア別のリーシング環境については、東京23区ではファミリータイプのリーシングが稼働率DI【=(ポジティブな回答の割合―ネガティブな回答の割合)×100)】41.0、テナント入れ替え時の賃料DI28.7、半年後の予想でも稼働率30.1、入れ替え時の賃料24.8と好調であることが確認された。人口の転入超過拡大等への期待から、シングルタイプも稼働率7.9と明るい兆しが見られた。
一方、名古屋市では、競合物件の供給が多く、ファミリー、シングル共に半年後の予想含めてマイナス基調となっており、リーシングに苦戦する状況がうかがえた。東京23区を除いた首都圏は、ファミリーのリーシングが好調な一方、シングルで退去後の空室期間の長期化を見込む回答が多くみられた。大阪市はシングル、ファミリーともに退去後の空室期間の長期化を見込む回答が目立っていた。
今後、1年間のリーシングマーケット全体に与える影響が大きいと考える項目については、「個人の就業環境や収入の増減」が一番多く、「テレワーク等の働き方の変化」「新型コロナ等、感染拡大の状況」が続いている。
環境配慮の取り組みについては、「既に取り組んでおり、今後も積極的に推進する」、「今後も継続して検討する」という前向きな回答の割合が100%となった。ただし、環境に配慮された賃貸住宅とそうではない賃貸住宅を比べた際の成約賃料の違いについては、「違いはない」との回答が8割を占めている。
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